第61条の2の4(仮滞在の許可)
法務大臣は、在留資格未取得外国人から第61条の2第1項の申請があつたときは、当該在留資格未取得外国人が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、その者に仮に本邦に滞在することを許可するものとする。
第61条の2第1項「難民の認定」
不法滞在者等の在留資格未取得外国人から難民認定申請があったときは、以下の各号に該当しなければ、仮に日本に滞在することを許可されます。(仮滞在許可)
1 仮上陸の許可を受けているとき。
2 寄港地上陸の許可、船舶観光上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可、緊急上陸の許可又は遭難による上陸の許可を受け、旅券又は当該許可書に記載された期間を経過していないとき。
3 第22条の2第1項の規定により本邦に在留することができるとき。
第22条の2第1項「日本国籍離脱者等の規定」
60日間在留できます。60日を過ぎても滞在しようとするときは、日本国籍を離脱した時などから30日以内に在留資格の申請をしなければなりません。
4 本邦に入った時に、第5条第1項第4号から第14号までに掲げる者のいずれかに該当していたとき。
第5条第1項「上陸拒否事由」
上記の上陸拒否事由に該当する人には仮上陸の許可は下りません。
5 第24条第3号から第3号の5まで又は第4号ハからヨまでに掲げる者のいずれかに該当すると疑うに足りる相当の理由があるとき。
第24条「退去強制事由」
退去強制事由にも該当してはいけません。
6 第61条の2の2第1項第1号又は第二号のいずれかに該当することが明らかであるとき。
第61条の2の2第1項第1号「60日経過後の難民認定申請」
・第2号「危険地域等から日本に直接入国していない」
上記の2点に該当してはいけません。
7 本邦に入った後に、刑法第2編第12章、第16章から第19章まで、第23章、第26章、第27章、第31章、第33章、第36章、第37章若しくは第39章の罪、暴力行為等処罰に関する法律第1条、第1条ノ2若しくは第1条ノ3(刑法第222条又は第261条に係る部分を除く。)の罪、盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第15条若しくは第16条の罪又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条若しくは第6条第1項の罪により懲役又は禁錮に処せられたものであるとき。
犯罪等で、懲役刑又は禁固刑を受けていてはいけません。
8 退去強制令書の発付を受けているとき。
9 逃亡するおそれがあると疑うに足りる相当の理由があるとき。
2 法務大臣は、前項の許可をする場合には、法務省令で定めるところにより、当該許可に係る滞在期間(以下「仮滞在期間」という。)を決定し、入国審査官に、当該在留資格未取得外国人に対し当該仮滞在期間を記載した仮滞在許可書を交付させるものとする。この場合において、その許可は、当該交付のあった時に、その記載された内容をもつて効力を生ずる。
3 法務大臣は、第1項の許可をする場合には、法務省令で定めるところにより、当該在留資格未取得外国人に対し、住居及び行動範囲の制限、活動の制限、呼出しに対する出頭の義務その他必要と認める条件を付し、かつ、必要があると認める場合は、指紋を押なつさせることができる。
4 法務大臣は、第1項の許可を受けた外国人から仮滞在期間の更新の申請があったときは、これを許可するものとする。この場合においては、第2項の規定を準用する。
5 第1項の許可を受けた外国人が次の各号に掲げるいずれかの事由に該当することとなったときは、当該外国人に係る仮滞在期間(前項の規定により更新された仮滞在期間を含む。以下同じ。)は、当該事由に該当することとなった時に、その終期が到来したものとする。
第1項「仮滞在許可」
仮滞在許可を受けた外国人が以下の各号のいずれかに該当することになった時は、仮滞在期間は終了します。
1 難民の認定をしない処分につき第六十一条の二の九第一項の審査請求がなくて同条第二項の期間が経過したこと。
第61条の2の9第1項「難民認定に等に関する審査請求」
第2項「審査請求の期限(7日間)」
「審査請求」とは行政の処分等に不服があるときに、異議を申し立てることです。裁判制度に似たような制度です。
難民の認定をしない処分について、7日間を過ぎても審査請求をしない場合です。
2 難民の認定をしない処分につき第61条の2の9第1項の審査請求があつた場合において、当該審査請求が取り下げられ、又はこれを却下若しくは棄却する旨の決定があつたこと。
上記の審査請求をしても、難民の認定が受けられなかった場合です。
3 難民の認定がされた場合において、第61条の2の2第1項及び第2項の許可をしない処分があったこと。
第61条の2の2第1項「難民認定申請者の定住者の在留資格の許可」
第2項「難民認定申請者の在留特別許可」
在留資格が受けられなかった場合です。
4 次条の規定により第1項の許可が取り消されたこと。
次条(第61条の2の5)「仮滞在許可の取消し」
仮滞在許可の取消事由に該当して、仮滞在許可の取り消しを受けた場合。
5 第61条の2第1項の申請が取り下げられたこと。
第61条の2第1項「難民認定申請」
難民認定の申請を取り下げた場合のことです。
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