安全点検の義務化で何が変わる?
近年の条例改正で安全点検が義務化されることになりました。
ここでは安全点検のポイントと主な内容を解説していきます。
背景
看板の落下による事故が発生しています
経年劣化や取り付け時の不備によるものと思われる事故が多く発生しています。
屋外広告物条例の規制の目的の1つに「交通の安全」があります。
今までの条例でも管理義務は有りましたが、その具体的な内容までは規定されていませんでした。
そこで安全点検を義務化することで交通の安全を確保しようとしています。
何をするの?
では一体何をどのように点検するのでしょうか?
主に取り付け部に「サビ」や「グラつき」が無いか?をチェックします。
看板は後からボルトなどで固定して取り付けるパターンがほとんどです。
従って看板を固定しているボルトがその役目をしっかりとはたしているか?をチェックすることがメインになります。
また、電飾などの設備が付属している場合には、配線などもチェックします。
各自治体で用意されている安全点検表を見ながらチェックすると良いでしょう。
安全点検は専門家に
何をチェックしたらいいのかは前述した通りです。
看板は高所に設置されていることが多く、点検をするには危険が伴います。
またボルトのチェックなどは素人には難しいでしょう。
費用は掛かりますが専門家に点検を依頼しましょう。
専門家による安全点検
自治体により様々ですが、愛知県内では4mを超えるような大きな看板には、専門家による安全点検が必要になります。
ここで言う専門家とは、
「建築士」
「屋外広告士」
などです。
また「広告物点検技能講習」の受講者なども、専門家と同様に安全点検を行うことが出来ます。
安全点検を行っていないと設置許可の更新が出来ません。
更新許可申請時に安全点検報告書の添付が必須になっているからです。
安全点検義務の形骸化
安全点検が義務化されることになりましたが・・
ルールが周知されていない
残念ながらこのルールを知らない方が多くみえるでしょう。
地域や自治体による温度差がありますが、身近な問題として取り組みましょう。
報告義務や保管義務がない
許可を取って設置している看板には許可更新時に安全点検の報告義務がありますが、許可が不要な看板を設置している場合にはその報告義務がありません。
個人店の掲げる看板は「適用除外」として設置許可が不要なケースがほとんどです。
適用除外とは
広告物を設置する場合は許可が必要です(原則)。
しかし全ての広告物を許可制にして管理することは難しく、一定以下の表示面積であれば許可を不要としています。
これを「適用除外」と言い、多くの看板が許可を不要としています。
ただ、許可が不要なだけで屋外広告物としてのルールは守らなければなりません。
罰則規定がない
安全点検を怠ったとしても罰金などの直接的な罰則規定がありません。
現実的には、事故などが発生した時に安全点検を怠っていたことを責め立てられる程度でしょう。
安全点検に費用が掛かる
安全点検を素人が行うことは難しく業者に依頼しなければなりません。
この際の費用はもちろん依頼者負担です。
また補助金などの制度も見当たりません。
店舗の信用問題です
せっかくの看板が景観を乱してしまったり、通行人や周りの人々に迷惑をかけてしまっては本末転倒です。
看板による事故がイメージダウンにもつながります。
施設賠償責任保険の活用を
もしもの時の保険もご紹介しておきます。
安全点検などをしっかりと行っていても事故がゼロになるとは限りません。
各保険会社から施設賠償責任保険というサポート制度が提供されています。
看板落下などの事故によるケガなどを補償してくれる保険です。
看板業者さんが詳しいと思いますので、看板を依頼する際にはついでに聞いてみましょう。
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