業種追加と許可換え等
事業の拡大等により許可を受けている区分を変更することが有ります。
例えば1つの県内のみに営業所を設置していたが、隣の件にも営業所を設置するような場合は、知事許可から大臣許可に変更する必要があります。
また、新たな業種を追加したり、一般建設業許可から特定建設業許可に変更することも有るでしょう。
これらの場合には以下の手続きが必要になります。
業種追加
すでに建設業許可を得ている業種のほかに、新たな業種を追加したい場合には、【業種追加】の申請をする必要があります。
(許可を得ていない業種の工事であっても、許可を得ている業種の工事の附帯工事にあたる場合は、あらためて許可を取得(業種追加)しなくても工事を請け負うことは可能です。)
法定費用50,000円
許可換え
知事許可から大臣許可に変更する場合(またはその逆)
営業所を隣の件にすべて移す場合など(例 愛知県知事許可→静岡県知事許可に変更)
法定費用 知事許可90,000円、大臣許可150,000円
般・特新規
一般建設業許可のみを受けている方が、新たに特定建設業許可を申請する場合(またはその逆)に必要な手続きです。
法定費用 知事許可90,000円、大臣許可150,000円
届出以外のルール
これまで述べてきたものはすべて手続きに関することでした。
しかし建設業においては、建設業法において多くのルールが定められています。
これらのルールはついおろそかになってしまうものも有ります。
ここでは主なルールをご紹介いたします。信用を失わないためにもしっかりとルールを守りましょう。
主任技術者及び監理技術者の設置義務(法第26条)
建設業者が請け負った建設工事を施工するときは主任技術者を置かなければならない
主任技術者は工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる
請負金額が一定額以上の場合は、監理技術者(主任技術者の上位資格)を置かなければならない
公共性があるなど、重要な工事では主任技術者または監理技術者は現場ごとに専任でなければならない
一人親方の場合は
一人親方(個人事業主等)は専任技術者として登録されています。
専任技術者と主任技術者は兼任できません。
専任技術者は事務所でもっぱら契約を行うことになっていますから、現場に出向いて請負工事が出来ないことになっています。
しかし、従業員を雇用せずに一人親方として事業を行っている方はたくさん見えます。
このような場合はどうなっているのでしょうか?
実は以下の条件を満たすことで一人親方でも現場で請負工事を行うことが出来るようになっています。
の要件を満たせば例外的に専任技術者である一人親方でも主任技術者を兼任できるとされています。
従って、一人親方でも現場で請負工事が出来ることになります。
条件2の近接に関しては許可権者の裁量のようです。
「公共性のある」とは・・・
建設業法施令
(公共性のある施設又は工作物)
第15条 法第二十五条の十一第二号(公共性のある施設又は工作物で政令で定めるものに関する紛争につき、審査会が職権に基き、あっせん又は調停を行う必要があると決議したとき。)の公共性のある施設又は工作物で政令で定めるものは、次の各号に掲げるものとする。
- 鉄道、軌道、索道、道路、橋、護岸、堤防、ダム、河川に関する工作物、砂防用工作物、飛行場、港湾施設、漁港施設、運河、上水道又は下水道
- 消防施設、水防施設、学校又は国若しくは地方公共団体が設置する庁舎、工場、研究所若しくは試験所
- 電気事業用施設(電気事業の用に供する発電、送電、配電又は変電その他の電気施設をいう。)又はガス事業用施設(ガス事業の用に供するガスの製造又は供給のための施設をいう。)
- 前各号に掲げるもののほか、紛争により当該施設又は工作物に関する工事の工期が遅延することその他適正な施工が妨げられることによって公共の福祉に著しい障害を及ぼすおそれのある施設又は工作物で国土交通大臣が指定するもの
と定められています。つまり、個人住宅を除くほとんどの工事がその対象です。
標識の掲示
現場に掲げるべき標識について 建設工事の施工が、許可を受けた適法な業者によってなされていることを対外的に明 らかにするため、工事現場ごとに公衆の見やすい場所に標識を掲げる必要があります。
(標識の掲示)
第40条
建設業者は、その店舗及び建設工事の現場ごとに、公衆の見易い場所に、国土交通省令の定めるところにより、許可を受けた別表第一の下欄の区分による建設業の名称、一般建設業又は特定建設業の別その他国土交通省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
なお、建設工事現場に掲載する標識に記載する事項は以下のとおりです。
(ア)商号又は名称
(イ)代表者の氏名
(ウ)主任技術者又は監理技術者の氏名
(エ)専任の有無(該当する場合には「専任」と記載)
(オ)資格名及び資格者証交付番号(該当する場合のみ)
(カ)一般建設業又は特定建設業の別
(キ)許可を受けた建設業(当該現場で行っている工事に係る許可を受けた建設業)
(ク)許可番号及び許可年月日 建設業の許可
店舗に掲げるべき標識について
建設業者は、建設工事現場のみならず、店舗においても、公衆の見やすい場所に標識を掲げる必要があります。
店舗に掲げる標識は、工事現場に掲げるものと内容や大きさが異なるため、注意が必要です。
(ア)商号又は名称
(イ)代表者の氏名
(ウ)一般建設業又は特定建設業の別
(エ)許可を受けた建設業
(オ)許可番号及び許可年月日
(カ) この店舗で営業している建設業
施工体系図について
工事に携わる関係者全員に各下請負人の施工の分担関係等がわかるよう、当該工事現 場に掲げる必要があります。
民間工事 |
公共工事 |
|
---|---|---|
発注者が直接請け負った |
誰が |
発注者から直接請け負った |
下請け工事の請負代金の合計が |
いつ |
下請け契約を締結したとき |
見やすい場所 |
どこに |
工事関係者が見やすい場所及び |
契約書の交付
元請負人は下請負人(下請け業者)と契約を締結する際に契約書を交付しなければなりません。
契約書に最低限盛り込まなければならない内容(重要事項14項目)も法律で決められています。
口約束だけをして、後にトラブルにならないためにも「工事内容」「請負代金の額」「工事着手及び工事完成の時期」などの重要な取り決めは書面化しておかなければならないのです。
帳簿の保存義務
建設業許可業者は、営業所ごとに営業に関する事項を記載した帳簿を備え付けなければなりません。
この帳簿は5年間保存しなければなりません(発注者と締結した住宅を新築する工事にかかる者は10年間の保存義務が有ります)。
営業に関する図書の保存義務
発注者から直接建設工事を請け負った場合(元請)は、営業所ごとに、営業に関する図書を、建設工事の目的物の引渡しをしたときから10年間保存する義務があります。
営業に関する図書とは下記のものです。これらは電磁的記録のもでもいいです。
完成図(建設業者が作成した場合 または 発注者から受領した場合のみ)
工事内容に関する発注者との打ち合わせ記録(相互に交付したものに限る)
施工体系図(元請工事において一次下請人への下請代金の総額が4,000万円(建築一式工事の場合6,000万円)以上の下請契約を締結した特定建設業者の場合のみ)
主なルールを挙げましたが、他にもたくさんのルールが有ります。
知らなかった、忘れていたでは済まないケースも有ります。
しっかりと確認しておきましょう。
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