行政書士市井しんじ事務所

名古屋市の看板設置許可(屋外広告物設置許可)

名古屋市屋外広告物条例

名古屋市で広告物を設置する時は、名古屋市屋外広告物条例に適した看板を設置しなければなりません。

 

以下に主な内容を挙げて解説いたします。参考にしてください。

広告物って何?

屋外広告物(屋外広告物法第2条)

 

屋外広告物とは「常時または一定の期間継続して屋外で公衆に表示されるもの」と定義されます。

 

看板、立看板、はり紙、はり札や広告塔、広告板などが屋外広告物にあたります。
内容が営利的な広告かどうかは問いません。

安全点検が必要です

全ての広告物について安全点検が必要です(条例第13条の2、規則第3条、第13条の2)

安全点検の義務化

全ての屋外広告物(1年以内に除却されるものを除く)を対象として安全点検が義務化されました(平静29年10月17日より)。

 

広告物の表示・設置者等に毎年1回、広告物の本体、結合部、支持部等の劣化及び損傷の状況についての安全点検(通常点検)を行わなければなりません。

 

さらに、一定規模以上の屋外広告物については、3年に1回、通常点検に代えて有資格者による安全点検(特別点検)を実施しなければなりません。(平成30年4月1日より)。

通常点検について
  • 名古屋市内の全ての屋外広告物が対象です(1年以内に除却されるものを除く)。
  • 点検者の資格は不要です。
特別点検について

以下のいずれかに該当する屋外広告物が対象です。

  • 表示面積の合計が単体で10uを超えるもの
  • 高さが4mを超えるもの

以下のいずれかの資格が必要です。

  • 屋外公告士
  • 建築士
  • 特定建築物調査員
  • 電気工事士
  • 電気主任技術者
  • 屋外広告物点検技能講習の修了者
点検結果の報告の義務化

設置許可の更新時に安全点検の報告が必要です(平成30年10月1日より)。

 

安全点検は、許可申請の有無に関わらず、全ての屋外広告物が対象です。

看板の設置には許可が必要

広告物の掲出には許可が必要です(条例4条、5条、規則3条)

 

屋外広告物を掲出する場合には、一部の適用除外広告物を除き、あらかじめ市長の許可を受けなければなりません。

許可申請では、市内に在住する管理者の設置が必要です。ただし、申請者が市内に住所を有し、自ら管理する場合は必要ありません。
許可を受けた広告物の表示内容、構造、設置場所を変更する場合には改めて申請許可必要です。
広告物の種類に応じて許可期間が定められています。期限後も引き続き掲出する場合は、更新許可を受けなければなりません。

屋外広告物の設置に関連して、他法令の確認や届出などの手続きが必要な場合があります。

 

高さが4uを終える広告物の設置→建築確認(建築基準法)

 

広告物を路面上に掲出→道路占有許可(道路法)、道路使用許可(道路交通法)

変更時も届出が必要

変更などをした場合は届出が必要です(規則第6条)

 

設置許可を受けた場合、以下の内容に変更が有った時は届出が必要になります。

  1. 申請者の氏名又は住所(法人の場合は、法人名、主たる住所の所在地)を変更したとき
  2. 管理者を設置、廃止、変更したとき
  3. 管理者の氏名又は住所を変更したとき
  4. 相続または法人の合併その他の理由で、広告物の掲出を許可されている人の地位を承継したとき
  5. 広告物を除却したとき

許可期間と手数料

広告物はその種類によって許可期間と手数料が定められています(条例第4条、規則第4条/条例第12条、条例第13条、別表第2)

区分 単位 許可期間 手数料
広告板及び広告塔 1 鉄骨造その他堅固な構造のもので、建築基準法第88条において準用する同法第6条の規定により確認を要するものについては面積5u(長さによる場合は5m)ごとに 3年以内 1,300円
2 その他のものについては、面積5u(長さによる場合は5m)ごとに 1年以内 600円
建築物又は工作物に直接表示するもの 面積5u(長さによる場合は5m)ごとに 1年以内 600円
電柱広告、標識広告及びこれらに類するもの 1個 2年以内 180円
立看板及び広告旗 1個 3か月以内 150円
広告幕 1個 3か月以内 500円
アドバルーン 1個 3か月以内 700円
車体広告(広告宣伝用自動車に係るものを除く。) 1 面積3u以下のもの又は乗合自動車で枠方式によるものについては、車体1台ごとに 2年以内 600円
2 その他のものについては、車体1台ごとに 2年以内 3,000円
広告宣伝用自動車 車体1台 2年以内 6,000円
はり紙、はり札及びこれらに類するもの 100枚 3か月以内 400円
その他のもの 1個 2年以内 300円

広告物を掲出できない地域があります

禁止地域(条例第6条)

 

以下の地域には広告物を設置、掲出できません。

  1. 第1種・第2種低層住居専用地域、風致地区
  2. 守山志段味地区、千種区東山、名城公園、熱田神宮など

  3. 文化財保護法により指定された建造物から50いないの地域及び史跡・名勝・天然記念物に指定された地域
  4. 興正寺五重塔、龍泉寺仁王門など

  5. 愛知県文化財保護条例により指定された建造物のうち、告示により指定された地域
  6. 瑞泉寺j総門、建中寺徳川家霊廟など

  7. 名古屋市文化財の保存及び活用に関する条例により指定された建造物、名称、天然記念物のうち、告示により指定された地域
  8. 風信亭、旧「年魚市場」展望地、宝珠院のイヌナシなど

  9. 道路、鉄道、軌道またはこれに接続する地域のうち、告示により指定されたも地域
  10. 東名高速道路、名古屋第二環状自動車道、東名阪自動車道、東海道新幹線(一部)ノの両側から500m以内の第1種・第2種中高層住居専用地域で路面高等以上

  11. 道路上の分離帯、交通島、街園
  12. 都市公園
  13. 河川、池沼、海岸又はこれらの付近の地域のうち、告示により指定された地域
  14. 山崎川および両岸の道路(石川橋から落合橋まで)

  15. 官公署、学校、図書館、公会堂、公民館等の公共施設の敷地
  16. 墓地、火葬叔母の境域
  17. 立看板、広告旗、広告幕、はり紙、はり札などの広告物を掲出来ない地域
  18. JR名古屋駅東側付近

*自家用広告物などの適用除外の広告物は掲出することができます。

広告物を掲出できない物件があります

禁止物件(条例第6条)

 

以下の物件には広告物を掲出できません。

  1. 橋りょう、高架道路、高架鉄道、高架軌道
  2. 街路樹、保存樹
  3. 信号機、道路標識、ガードレール、車止め、パーキングメーター、パーキングチケット発給設備
  4. 郵便ポスト、公衆電話ボックス、公衆ゴミ容器、公衆便所、道路上の変圧塔
  5. 送電塔、テレビ塔、無線塔、照明塔
  6. 煙突、水道タンク、ガスタンク、地下道または地下鉄道の上屋
  7. 形像、記念碑、噴水施設
  8. 久屋大通都市景観形成地区、名古屋都市景観地区内の電柱、消火栓標識柱、バス停標識
  9. 立看板、広告旗、広告幕、はり紙、はり札広告物を掲出できない物件
  10. 電柱、街路灯柱、消火栓標識柱など

掲出してはいけない広告物

禁止広告物(条例第6条の2)

 

景観の向上や風致の維持、気概の防止を図るため、掲出することが禁されている広告物があります。

  1. ひどく汚れたり、色褪せたり、または塗料などがはがれたもの
  2. 破損または老朽がひどいもの
  3. 倒壊または落下のおそれが
  4. 信号機または道路標識などに類似し、またはこれらの効用を妨げるようなもの
  5. 道路の安全な利用を妨げるおそれのあるもの
  6. 道路上の許可なく掲出された立看板など

禁止地域・物件にも掲出できる広告物

適用除外広告物(条例第7条、第7条の2、規則第7条〜第9条)

 

社会生活上必要な広告物については、掲出目的、表示面積のどが一定の基準に適合する場合に限り、許可、禁止の規定が適用されない広告物があります。

大規模な広告物を掲出する場合の基準

大規模広告物

 

大規模な広告物とは、

  • 高さが10mを超えるもの
  • 表示面積が100uを超えるもの

です。

 

以下の基準があります。

基本事項 周辺の土地利用や設置される建築物などと調和のとれたデザイン、色彩、規模等とする。
色彩 表示面積の1/2を超えて高彩度(JIS Z8721の定める彩度で12以上目途)の色を使用しない。ただし、中・低彩度の色も合わせて使用するなど、デザインや色彩に十分配慮した者は、この限りでない。
構造

ア 地上広告の地面への取り付け部については、構造上の工夫や緑化など景観上の配慮を行う。
イ 屋外広告を設置する建築物の上端と屋外広告の下端の隙間は、出来る限り空けない。

広告物には規格が定められています

規格(条例第3条、規則第2条、別表第1)

 

広告物は種類ごとに、表示または設置の場所、位置、経常、色彩などの規格が定められています。

 

共通基準の他に住居系地域と商業系地域に区別された地域別基準が定められている場合があります。

 

*住居系地域・・第1種・第2種低層住居専用地域、第1種・第2種中高層住居専用地域、第2種住居専用地域、準住居専用地域、市街化調整区域

 

*商業系地域・・近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域

 

広告物の種類ごとに規格を見ていきましょう。

地上広告板・地上広告塔

共通基準

裏面、側面、脚部は塗装その他の装飾をすること。
脚部は基礎コンクリートを用いるなど適切な方法で地盤に定着させること。

地域別基準

住居系地域 商業系地域
一般広告物

地上10m以下
表示面積50u以下

地上15m以下
表示面積100u以下

自家用広告物

地上15m以下
表示面積50u以下

地上20m以下
表示面積100u以下

屋上広告塔・屋上広告板

共通基準

裏面、側面は塗装その他の装飾をすること。
脚部はルーバーなどで被い、または建築物に調和した色彩で塗装すること。
屋上を構成する外をお超えて設置しない事。
アンカーボルトを用いるなど適切な方法で建築物に定着させること。
広告物の上端の高さは60m以下とすること。
鉄筋コンクリート造などの建築物の屋上に設置する場合は、設置する箇所における建築物の高さの2/3以下にすること。ただし、ペントハウスの高さは広告塔、広告板の高さに含まれる。
木造建築物の屋上に設置する場合には、その建築物の棟の高さを超えないこと。

地域別基準

住居系地域 商業系地域
一般広告物

高さ10m以下

高さ15m以下

自家用広告物

高さ15m以下

高さ20m以下

*いずれも建築物の高さの2/3以下です。
*広告物の高さにはパラペット等に隠れた部分の脚の高さも含む。

壁面広告

共通基準

広告物を設置する壁面の上下の端、両端の端を超えて掲出しないこと。
建築物または工作物の窓や開口部を原則としてふさがないこと。
建築物または工作物の地上60mを超える壁面には、自己の氏名、店名、屋号、商標、営業内容などの自家用広告物以外は表示しないこと。

地域別基準

住居系地域
  • 一つの広告物の表示面積は30u以下
  • 階数3以上または高さ11m以上の建築物や工作物の壁面に設けるとき、一壁面における表示面積の合計はその壁面面積の2/10以下とすること。
商業系地域
  • 一つの広告物の表示面積は100u以下

*ただし、映像(レーザー光線による場合を含む。)により建築物や工作物に直接表示されるものを除く。

突出広告

共通基準

広告物が道路境界から道路上に突出する時は、広告物の下端は4.5m以上、ただし、歩道上は2.5m以上とすること
道路からの境界からの出幅は1m以下にすること
道路に突出する時の表示の方向は道路境界に対して90度の角度を保つようにすること
上端は取りつける壁面の高さを超えないこと
(ただし、階数2以下または高さ7m以下の建築物又は工作物の場合には、広告物の高さの1/3居ないを取り付けることが出来る)
長方形、円形またはこれに準じた簡単な形のもので、難燃構造体であること

地域別基準

住居系地域
  • 一つの広告物の表示面積20u以下
  • 取り付ける壁面からの出幅は2m以下

商業系地域

  • 広告物が道路境界から道路上に突出するときの、道路境界を超える表示面積は合計で20u以下とすること
電柱、街路灯柱を使用するもの
電柱広告
  • 電柱に巻き付ける広告物は、地上1.8mから3.4mの間に表示すること
  • 電柱に添付する広告物は、電柱1本につき1個で、大きさは横0.43m以下、縦1.15m以下、出幅は0.6m以下徒死、下端は地上5m以上、ただし、歩道上は3m以上とすること
街路灯柱広告
  • 街路灯の柱体に表示するものは横0.3m以下、縦1.4m以下、下端は地上2.5m以上とすること。(ただし、下端が地上4m以上であるときは横0.4m以下とすることができる。)
  • 街路灯の柱体に添付するものは、1基に1個で、横0.3m以下、縦0.9m以下、厚さ0.15m以下とし、下端は地上5m以上、ただし、歩道上は3m以上とすること。(柱体に表示した時は設置できない。)
道路の沿線に設置するもの
東名高速道路・名古屋第二環状自動車道・東名阪自動車道・伊勢湾岸自動車道
  • 路肩から両側300m以内で、道路の路面の高さ以上については、点滅する電気照明、回転灯、蛍光または販社を利用する塗料、その他これらに類するものを使用しないこと。

名古屋都市高速道路

  • 路肩から両側50m以内で、道路の路面の高さ以上については、点滅する電気照明、回転灯、蛍光または販社を利用する塗料、その他これらに類するものをも使用しないこと。
自動車などの外面を利用するもの

共通基準

  • 運転者の注意を著しく低下させるおそれのある携行し、反射し、または発行する塗料、材料その他、これらに類するものを使用しないこと。
電車
  • 車体の窓またはドア等のガラス部分に表示しないこと。
  • 地色などを除く広告物の表示面積は、車体のそれぞれの面の面積の1/3以下とすること。
  • 車体の1台に2以上の広告主の広告物を表示しないこと。
乗合自動車
  • 枠方式によるもの

側部は縦0.55m以下、横2.80m以下で左右各1個とすること。
後部は縦0.46m以下、横2.00m以下で1個とすること。

  • その他のもの

車体の窓またはドアなどのガラス部分に表示しないこと。
色彩、意匠その他表示の方法が周囲の景観に調和したものであること。
(なお、中日本高速道路株式会社。名古屋高速道路公社が管理する、自動車専用道路を運行するものは枠方式によるものに限る。(自家用を除く。))

広告宣伝用自動車

走行中に広告物の表示が変化しないこと

上記以外の自動車

車体の窓またはドアなどのガラス部分に表示しないこと。
地色などを除く広告物の表示面積は、3u以下とすること。(自家用を除く。)

立看板

表示面は、横0.9m以下、縦1.8m以下、脚の長さは0.3m以下で、縦掛ける場合は定着物に3点以上を固定し、表示面を出来る限り垂直にすること。

 

以上が条例の主な内容になります。

 

看板を設置するにあたってのルールが多く設けられていることが理解できたと思います。

 

せっかくの看板が、規格外のため違法看板になってしまうかもしれません。

 

看板について不安なことがある方は是非お問い合わせください。

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